非線形科学セミナー

日時:2020年12月1日 13:00 – 14:30
講演者:飯間信 氏(広島大学 大学院統合生命科学研究科)
タイトル: 大規模複雑系の位相縮約
アブストラクト:非圧縮流体系は大規模(自由度が無限大)かつ,ヤコビアンが陽に求められない,境界条件は一般に複雑,などの特性をもつ複雑な系(大規模複雑系)と考えられる.このような場合の位相縮約は難しいため,流体現象をリズム現象として解析することはいくつかの限定的な場合に限られていた.本セミナーではこういった大規模複雑系にも適用可能な位相感受関数の計算方法を提案する.この方法は系の時間発展のアルゴリズムのみで構成可能であり,かつ物理空間の一部の領域だけに着目した位相感受関数が計算可能である.手法とその特性を説明したあと,反応拡散系(進行パルス,breathing解),流体系(カルマン渦,平板翼周りの流れ)への応用例を紹介する.

日時:2020年9月23日 15:30 – 17:00

講演者:狐崎創 氏(奈良女子大学研究院自然科学系物理学領域)
タイトル:成長する紐や膜の形~縮約が役立ちそうな2題~
アブストラクト:
これまでに行った大学院生との共同研究の中から”成長する形”を扱った未完のテーマを2つ紹介したい。1つは粘性流体中で成長する弾性鎖の形についての数値的な研究で、自然長が成長するバネの鎖モデルからスタートすると、鎖の性質によって連続極限を持ち座屈する場合と折れ曲がりが至る所で起きる場合があることがわかる。また1つは、溶けたパラフィン中に冷水が流れ込んだ時にできる固体膜の成長の実験で、薄膜内部での圧力勾配がパターン形成を支配することで通常のviscous fingering とは異なる樹状成長が見られる。それぞれ、紐が伸縮に対して硬い極限、薄膜が動きにくい極限を考えると、縮約法の少し変わった応用として理論的に有効なアプローチができそうなことがわかった。