研究内容

実世界から得られたデータを分析したり、その数理モデル化を行うことによって、脳や社会における情報の流れを調べる研究を進めています。 以下ではこれまでに進めた研究の一部を紹介します。

脳の中での情報の流れを分析する

計測技術の驚異的進展により、多数のニューロン (神経細胞) の信号を長時間にわたって計測できるようになりつつあります。私たちは、多数のニューロンから計測されたスパイク信号から情報をどのようにニューロン間で伝わっていくのかを推定する技術 (GLMCC: プレスリリース: 日本語, 論文: 英語, Pythonコード、CONNECT: Webアプリ, 論文: 英語) を開発してきました。日本語の解説は こちらを参考にしてください。

SNS上での情報拡散 (バズる現象) の数理モデリング

数理モデルを使って実データを分析することで、SNS (Twitter, Reddit等) 上でどのように情報が拡散するか調べています。 これまで、将来のリツイート数を高精度に予測するアルゴリズムを開発したり (論文: 英語Pythonコード)、フェークニュースがどのように拡散するのかを数理モデル化したり (論文: 英語解説: 日本語)する研究を進めてきました。

インターネットデータから社会を調べる

インターネット上の大規模データを分析することで社会を調べる研究を進めています。例えば、新型コロナワクチン接種期間中にTwitter で投稿された「ワクチン」を含む1億件以上の日本語の全ツイートを時系列的に分析することで、新型コロナワクチンをめぐる人々の話題・関心の変化を調べました (解説動画: 日本語解説: 日本語)。 詳しい日本語の解説は こちらにあり、さらに詳しい情報は 英語論文 を参考にしてください。この研究は卒業生 (中山さん) と一緒に進めた研究です。
また、私たちはWikipedia データを分析することにより、インターネット上の人々の興味・関心のダイナミクスを調べました (論文: 英語)。この結果、対象に応じて興味変化の速さが異なること、例えば、サッカーの試合の勝敗には早く反応するが、選挙結果にはゆっくり反応すること、がわかりました。